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身の回りの音と振動 周波数範囲マッピング-まるわかりガイド

人は、様々な刺激を感じ知覚します。
音は主に聴覚によって知覚されます。振動は皮膚感覚、平衡感覚のほか、視覚や聴覚などによっても知覚されます。
音や振動は、周波数(又は振動数)という単位で周期性を表します。図1に、一般的な振動や音の周波数範囲を示します。

図1 振動・音の周波数範囲

<補足>
1)周波数(振動数)
  周期現象が、1秒間に繰返される回数を指します。
単位はHz(ヘルツ)。周期T(秒)と周波数f(Hz)には T = 1/f の関係があります。

2)低周波音領域(超低周波音領域)
  周波数100Hz以下の音を指します。
大きな音の場合、うるさいだけではなく、建具が揺れたり、人が頭痛や不眠、めまいなどの不快な症状を起こすことがあります。加えて、通常、人には聞こえない周波数20Hz以下の音を超低周波領域という場合もあります。

3)人の可聴域領域
  20Hz~20,000Hzの音は、通常、人が聞くことのできる範囲とされています。人によってはさらに低い周波数や高い周波数の音が聞こえる場合もあります。一般的な騒音問題はすべてこの領域の音を指します。

4)超音波領域
  20,000Hz以上周波数の音。通常の人には高すぎて聞こえない音。人への影響はありません。

5)固体伝搬音領域
  固体中を振動として伝わり、床や壁、天井などの物体を振動させ音として放射される音を指します。
一般的に高い周波数の振動ほど固体音には変換されにくく、周波数は人の可聴域の下限である20Hzから、よほど大きな振動でない限り、500Hz程度までです。

6)風振動
  環境振動で扱う風振動は、高層建築物に風が当たることによって建築の床に発生する水平方向の振動をいいます。一般的に周波数0.1Hz~1.0Hz程度※1を対象としています。

※1 後藤・濱本著:わかりやすい環境振動の知識 p.76

7)地震動
  地震による地面の動き。地盤によって固有の周期を持ちます。近年の代表的な地震のスペクトルは0.1 Hzから10 Hz成分※2にあります。

※2 国土交通省 気象庁 HP:地震波のスペクトル
https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/kyoshin/kaisetsu/outou.html

8)工場・交通振動
  稼働する電車や車あるいは設備機械の種類によってさまざまな周波数の振動を持ちますが、一般的には周波数1 Hz~60 Hz※3ぐらいの振動が主です。

※3 後藤・濱本著:わかりやすい環境振動の知識 p.65~70

9)公害振動
  公害として問題とされる周波数は、1 Hz~90 Hz※4とされています。

※4 環境省:昭和47年度版環境白書 第5章第1節

10)  微振動領域
  人に対しては問題にならないような小さな振動ですが、電子顕微鏡など、小さい振動でも問題となる機械(精密機器)にとっては問題となる振動の領域。
精密機械の許容基準のVC基準は1~80Hzですが、精密機械の仕様書などでは周波数範囲は様々です。