私たちの暮らしの中には、さまざまな音があふれています。音の大きさは「騒音レベル」という数値で表されます。
この豆知識では、騒音レベルの基本的な考え方から、生活の中でよく聞いている音の目安をわかりやすく解説します。
騒音とは
騒音とは、ある人にとって好ましくない音、無いほうがよい音の総称とされています。
事業活動や人の活動に伴って生ずる騒音問題は、国より公害の1つと定義されており、その種類には工場騒音、建築作業騒音、道路交通騒音、航空機騒音、鉄道騒音等があります。また、法により基準が定められています。
しかし、法になじまない事例も多々あり、この問題をより難しくさせています。
騒音問題の特徴として、
- 定義が漠然でその判断が人の主観。
- 問題の発生が局所的で多発的。
- 環境汚染的な処理物質を残さない。
騒音レベル
一般的に騒音の評価は騒音レベル(dB)で表されます。これは、物理量である音圧レベル(dB)に、人間の聴覚特性に近いとされるA特性という周波数補正特性で重み付けを行った値で、A特性音圧レベルと呼ぶ場合もあります。
図1は、A特性と平坦特性(音圧レベル)の周波数応答特性を示したグラフです。

騒音レベルの目安
表1 騒音レベルの目安
騒音レベル(dB) | 想定場所 |
80~90 | パチンコ店内、ゲームセンター店内 |
70~80 | 航空機内、鉄道車内、主要幹線道路周辺、セミの声 |
60~70 | 新幹線車内、バス車内、コーヒーショップ店内、ファミリーレストラン店内 |
50~60 | 銀行窓口周辺、博物館内、役所窓口周辺、書店内 |
40~50 | 高層住宅地域(昼間)、静かな事務所、霊園(昼間)、美術館内、戸建住宅地(昼間)、図書館内 |
30~40 | 高層住宅地域(夜間)、戸建住宅地(夜間)、ホテル客室 |
参考文献
新・公害防止の技術と法規 2025 騒音・振動編 公害防止の技術と法規編集委員会 編